【奈良県議会 令和6年2月定例会】斎藤有紀議員の一般質問まとめ(1)、五條市県有地におけるメガソーラー計画など/2024年3月6日

奈良県庁屋上の設置看板 メガソーラー計画
奈良県庁屋上の設置看板
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奈良県議会令和6年2月定例会が2024年2月から3月にかけて行われました。本会議の代表質問・一般質問では県議から五條市の県有地に関する質問があがっていました。

こちらでは五條市選挙区選出の斎藤有紀議員(自由民主党・無所属の会)の最初質問と、それに対する山下知事の答弁をまとめています。

【五條市の県有地の活用に関する地元説明会・山下知事の説明まとめ】メガソーラーなど新たな防災拠点計画を説明【2024年2月19日】

奈良県議会令和6年2月定例会 斎藤議員質問まとめ

斎藤議員は2月19日に開催された「五條市の県有地の活用に関する地元説明会」に出席。現計画(メガソーラーを含む計画)の再考する考え、奈良県が計画する五條市の防災拠点の規模などについて質問をしていました。

山下知事は説明会の中で五條市の防災拠点の規模について「具体的なことは県議会で説明する」としていました。

※山下知事の最初の答弁中に池田慎久副議長から「答弁は簡潔明瞭にお願いしたいと思います」と注意が入っていました。そのため、一部内容で質問に対する答えとなっていない部分があります。ご了承ください。

【五條市の県有地の活用に関する地元説明会・質疑応答まとめ(4)】計画の再考・地元説明会を求める意見

斎藤議員「防災機能の規模が小さいのでは」「太陽光発電施設の災害リスクは」

斎藤議員は「防災力向上の観点から防災機能の規模が小さいのではないか、大規模な太陽光発電施設が本当に必要か、むしろ地震動レベル2に対応した道路整備が必要なのではないかなど、様々な議論がある」とメガソーラーの必要性などについて疑問があることを示唆しました。

そして、「五條市の県有地の整備案について、災害時以外における活用方針も含めた具体的な内容を改めてお聞かせください。結論に至った客観的な理由と、太陽光発電施設の整備による災害リスクについてどのように考えているのか、お伺いします」と質問しました。

山下知事「もともとの計画に問題があった」「太陽光発電施設の事故率は0.08%」

山下知事は「もともとの計画には次のような問題点があったと考えている」として、「ここに2000メートル級の滑走路が必要なのかという問題。人命救助の観点では普通のヘリコプターではなく飛行機を飛ばす滑走路は、何の役にも立たなかったということが、今回の能登半島地震から明らかになった」と説明。

そして、「(能登半島地震の状況を踏まえて考えると、)災害時に2000メートル級の滑走路は役に立たないので必要ない、ヘリポートで十分であるという私の知事選挙における公約は、大変先見の明を得たものであったと自負している」と五條市の県有地に2000メートル級の滑走路が必要ないことを強調しました。

太陽光発電施設の災害リスクについて「FIT(固定価格買取制度)によって認定された太陽光発電施設(10kW以上に限る)は68万6097件ある。(そのうち)令和3年度に起きた事故は僅か567件にすぎない。率にして0.08%である」と太陽光発電施設が安全であるとの主張を行いました。

さらに、「その事故の内訳は設備の不備が235件、原因が不明というのは205件。この五條市で懸念される災害である水害、これによるものは15件にすぎない。地震によるものは4件しかない。日本全国でこれだけの件数しかない」と具体的な数字を挙げて安全性を強調しました。

斎藤議員「五條市の県有地を中核的広域防災拠点として整備」

奈良県の資料「五條市の県有地の活用について」
奈良県の資料「五條市の県有地の活用について」 奈良県の計画では橿原市を中核的広域防災拠点として整備する予定

斎藤議員は奈良県全体の防災力を強化するとの観点から「南海トラフ地震や奈良盆地東縁断層帯地震等の災害に備え、五條市の県有地について中核的広域防災拠点として整備し、奈良県全体での防災力の強化を図る必要があると考える」と山下知事に質問をしました。

山下知事「五條市の県有地はアクセスに難がある」

山下知事は「五條市の県有地は、大和平野の南西の端に位置していることから、奈良盆地東縁断層帯の直下型地震の際に人口の多い県北部や県東部地域への応援部隊の展開に時間を要すること、道路網の結節点ではないこと、進入路が狭いことなど、アクセスに難があると考えている」と説明。

続けて、「奈良県南部地域は紀伊半島大水害の実例などから、災害発生時に道路寸断や孤立集落の発生が懸念されている。このため、五條市の県有地に大型ヘリが離着陸可能な防災ヘリポートと備蓄倉庫を整備する。どのような防災機能を持たせるかについては、令和6年度に奈良県全域での広域的な受援体制を検討する中で具体化していく」と述べました。

斎藤議員「県有地の整備には地元の声を反映することが必要」

斎藤議員は地元住民への対応についても言及。「五條市の県有地の整備について、地元説明会を開催されましたが、地元住民は強硬に反対している。公正性の観点からも地元の声をしっかりと聞き、計画に反映していくことこそが必要であると考えまる。今後どのように進めていくのか」と質問しました。

奈良県の資料「五條市の県有地の活用について」
2月の地元説明会に使用された奈良県の資料「五條市の県有地の活用について」 資料の中には地元軽視ととられかねない表現もあった

山下知事「地元の意見も踏まえた事業計画になると考えている」

山下知事は「太陽光発電施設の導入にあたり、地域環境との調和を図ることが必要だと考えている。奈良県では昨年、環境影響評価条例を改正し、太陽光発電事業を対象に付加した。

今回の太陽光発電施設は面積が5ヘクタール以上となることから、奈良県環境影響評価条例、または発電する電力の出力によっては、環境影響評価法の対象となり、環境アセスメントの手続を経てから事業が実施される。

環境アセスメントの手続の中で、地元首長や住民、専門家が、事業者に対し、環境保全の見地から意見を述べるというプロセスを踏んでいく。この意見聴取の機会が3回あり、地元の意見も十分に踏まえた事業計画になるものと考えている。

太陽光発電施設は、災害時には非常用電力の供給元となる施設。能登半島地震の例を見ても災害時の電力供給はまさに生命線である。非常用電力の供給施設が立地することは、地元住民の方々の安心・安全の向上に大きく貢献するものと考えている。こうした点を丁寧に説明して、理解を得ていきたい」と話しました。

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