奈良県議会では2024年2月から3月にかけて令和6年2月定例会を開催。本会議の代表質問・一般質問では複数の県議から五條市のメガソーラー計画に関する質問があがりました
こちらでは3月5日に行われた山村幸穂議員(日本共産党)の一般質問の内容と山下真知事の答弁をまとめております。
【山下知事定例記者会見まとめ】五條市の県有地に太陽光発電施設設置の計画を発表【2024年1月24日】
山村幸穂議員議員の本会議(一般質問)まとめ
山村議員は五條市の県有地でのソーラーパネル設置時、下流の河川にあたえる影響について質問しています。
山下真知事は2024年1月24日(水)の知事定例会見で「平群町も山添村も急傾斜地に(太陽光発電施設を)造ろうとしている。災害時に本来森林等が吸収すべき水がそのまま下流に流れる。ここ(五條市の県有地)はもともとゴルフ場なのでほとんど平地。平群町や山添村のような、ああいう懸念はないというふうに認識をしている」と説明していました。
また、山村議員の質問に先駆けて、共産党奈良県委員会の宮本次郎委員長が2月にX(旧Twitter)で「3/5には山村県議の一般質問で追及します」と投稿していました。
【五條市の県有地の活用に関する地元説明会・山下知事の説明まとめ】メガソーラーなど新たな防災拠点計画を説明【2024年2月19日】
太陽光パネルの設置が下流の河川にあたえる影響は
山村議員「太陽パネル設置で雨量の流出は2.2倍になる」
山村議員 「ゴルフ場の芝生部分に太陽光パネルを設置すると流れる水量が増え、下流の河川に影響をあたえることにつながると思う。この点はどのように考えているのか」
山下知事 「議員が指摘している、元々ゴルフコースであったところに太陽光パネルを設置すると流出する雨量が1.5倍になるとの文献や情報は承知していない」
山村議員 「奈良県が作った林地開発許可制度の手引きの中で、地表の状況によって雨水の流出係数が許可基準として決まっている。
知事の計画書ではパネル面積が約37.5ヘクタール。そこに流れる雨量の流出はゴルフ場である草地に比べて2.2倍になる。これは専門家に直接聞いた。下流河川に大きな負担になると思うが、そういうことについて考えているのか」
山下知事「(流出する雨量が)1.5倍と言っているのは、普通の土にパネルを貼った場合の事を仰っているのかもしれない。ここ(五條市の県有地)は草地なので、その指摘は当たらないと考えている」
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山村議員「 一旦、立ち止まり検討するのか」
山村議員 「知事も承知していないと仰っていながら、当たらないとどうして決められるのか。
許可基準の制度を見ると色々区分けがある。現在ゴルフ場になっているそういう芝生部分について、パネルを貼ったらどうなるか。その部分の流水量とパネルを貼ったときの流水量を比較をする。科学的根拠に基づいての話。
下流の住民に対して、どのような影響があるか分からない。安全が担保されている状況ではないと思われるが。そういった状況でも進めていくのか。 一旦、立ち止まって調査を行い検討するのか」
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山下知事「対策を講じれば十分問題はない」
山下知事 「安全が担保されていないというのは、山村議員のご意見かと思っている。 そうした状況になっているかは、 環境アセスメントの中できちんと検証していきたい」
山村議員 「アセスメントを行った結果、この事業はストップする。考え直す選択肢はあるのか」
山下知事 「もし、仮に仰るように流れ出す雨量が1.5倍になるのであれば、それに対応した対策を講じれば十分問題はないと考えている」
山村議員 「もちろん対策を講じなければならない。しかし、その対策を講じるために、無理があったり、費用対効果上問題があることが想定される。今の段階で、このアセスメントをやっても進めるということにはならないと思う」