奈良県議会の令和6年6月定例会。6月25日(木)に川口延良議員(自由民主党･無所属の会)が一般質問を行いました。
川口議員の2回目以降の質問と山下真知事の答弁をまとめております。2回目以降の質問は一問一答形式で行われ、橿原市に建設予定の「新アリーナ」や「奈良県橿原文化会館の廃止」について、白熱した議論が行われました。
こちらでは主に「新アリーナ」に関する質疑応答となっております。
【奈良県議会 川口延良議員の一般質問】新アリーナの規模･機能明らかに、2500㎡･5000席を計画、防災拠点としての役割も【令和6年6月定例会】
2024年6月定例会 川口延良議員の一般質問 質問項目と要旨
災害応急対策(防災拠点)検討部会について
令和6年2月定例会で、県全体の防災体制を総合的に検討するよう当初予算案が修正可決され、検討部会で議論が進められている。いつまでに、どのようなアウトプットを示そうと考えているのか。
●新アリーナ整備にかかる検討状況について
- 県立橿原公苑リニューアル整備に向けた検討状況と今後の計画について
- 橿原公苑以外での新設についての検討状況は
- 橿原文化会館は廃止する意向なのか
【奈良県議会 令和6年2月定例会】斎藤有紀議員の一般質問まとめ(1)、五條市県有地におけるメガソーラー計画など/2024年3月6日
令和6年6月定例会 川口県議の2回目以降の質問まとめ
奈良県議会自由民主党･無所属の会では滋賀ダイハツアリーナ(滋賀県大津市)、サオリーナ(三重県津市)、オープンハウスアリーナ太田(群馬県太田市)など他府県のアリーナ施設を視察するなど、課題解決提案につながる勉強会を重ねてきました。
川口県議は「新アリーナの採算面」「再検討の考え」「新アリーナの防災機能」などについての質問。「新アリーナの採算面」では視察に訪れた他府県の施設を例に挙げた質問を行い、山下知事に計画の再検討の考えを問う場面も見られました。
【奈良県議会 令和6年2月定例会】斎藤有紀議員の一般質問まとめ(2)、五條市県有地におけるメガソーラー計画関連/2024年3月6日
アリーナの音響は音楽活動の音響には使えない
川口県議「橿原文化会館の一部機能を新アリーナに移すことで、1000席から5000席の音響を伴うコンサート等の発言があったと思う。勉強会で色々なアリーナに視察を行くと、音響を伴う機能はアリーナとの併設が難しいという答えが(視察先の施設から)返ってくる。
ステージをどのように取るのか、アリーナの音響は音楽活動の音響には使えないということがほとんどである。その辺についてどのような検討をされているのか教えていただきたい」
興行主が音響施設(音響設備)を持ち込むことを想定
山下知事「音響施設(音響設備のことだと思われます)については、コンサート等を実施する興行主が会場に持ち込むことを想定している」
【奈良県議会 令和6年2月定例会】藤野良次議員の代表質問前の発言、事業見直しの進め方について/2024年3月4日
新アリーナ5000席では合わないのでは、再度検討する考えは
川口県議「集客について、どのような検討をしているのか」
山下知事「今は8000席程度のコンサートが中心だが、全国的に5000席程度のアリーナが数多く誕生している。今後は5000席程度のアリーナを使用したコンサート、ツアー等が企画される可能性が十分見込めるとのプロモーターの意見をいただいている」
川口県議「同じような話を三重県の津市にあるサオリーナで聞かせていただいた。ディズニーオンアイスのようにぐるりと観客席を回って集客するようなイベントをされたということだったが、2500席では(採算が)ちょっと厳しいという話であった。
どこに行っても5000席では採算が合わないという答えが返ってきた。、そういったことも含めて、本当に(新アリーナが橿原文化会館の)代替ができるのか。一旦発表されたが、検討する材料だと思う」
ヒアリング･検討の結果、規模は適切である
山下知事「予算の修正を受けて、様々な団体や民間、事業者等に対するヒアリングをするとともに既存の公立アリーナの稼働状況等も詳細に検討した。先ほど示した規模が適切であるという結論に至っている」
【奈良県議会 令和6年2月定例会】山村幸穂議員の一般質問、五條市のメガソーラー計画、下流の河川への影響について/2024年3月5日
新アリーナにどのような防災機能を入れるのか
川口県議「新アリーナに防災の機能を入れる話もしていたと思うが、どのような防災機能を新アリーナに入れる予定なのか」
災害応急対策検討部会で今後検討する
山下知事「現在開催中の災害応急対策検討部会で今後検討されるものと認識をしている」
川口県議「検討部会が終わるまで、新アリーナの布石はできないということになるが。時系列的にそれで大丈夫なのか」
山下知事「特に問題ないという報告を受けている」
今年度中の検討部会の結論ではそこまで前に進めないのでは
川口県議「私が聞いてる限り、今年度中に会場選定で基本計画に入らないといけないというふうに聞いている。今年度中に検討部会の結論を出すということはそこまで前に進めないということでよろしいですか」
山下知事「今年度中に防災に関する基本構想を取りまとめたいと考えている。今年度の秋から冬にかけて、新アリーナで必要となるべき防災機能も議論が取りまとまってくるものと思っている。新アリーナの基本計画にも間に合うものと思慮している」
【奈良県議会 令和6年2月定例会】伊藤まさや県議の代表質問、五條市の防災拠点についての質疑応答まとめ/2024年3月1日開催
基本構想の策定は12月･防災の取りまとめ今年度中、タイムラグは
川口県議「知事のご答弁では12月に(橿原公苑の)基本構想の策定をされるということをおっしゃっていた。防災の取りまとめは今年度中ということだが、防災の取りまとめが終わらないとアリーナの基本構想は出せないと思う。そのタイムラグはどうやって見ていくのか」
※山下知事は最初の答弁で新アリーナを含む橿原公苑の基本構想の策定時期を「引き続き野球場･陸上競技場等の改修も含め、橿原公苑の再整備の検討を進め、12月に基本構想を策定したい」と説明していました。
防災の取りまとめ以前にアリーナの議論が終わっている可能性がある
山下知事「新アリーナに求められる防災機能の議論が構想として取りまとめるのは、例えば令和7年(2025年)になってからだとしても、それ以前に新アリーナに関する議論が終わってるかもしれない。
12月に基本構想を橿原公苑の最終日の基本構想をまとめるとしても、それまでに新アリーナに関する議論が終わっている可能性は十分にあると考えている」
基本構想までにアリーナの議論が終わらない可能性もある
川口県議「間に合ってない可能性も当然残る。新アリーナは広域物資輸送拠点にするという話があったと思う。そうであれば必要な条件は決まってるはず。
その上で、アリーナの建設についてこの敷地内でできるかできないかって決まってくる。それもせず、第1･第2体育館の統合改修する場所でできるという確証はどこにあるのか」
橿原公苑基本構想の策定まで新アリーナの防災機能の検討は終えられる
山下知事「災害応急対策検討部会の議論は非常に良いテンポで進んでいる。橿原公苑の基本構想を策定するまでに、新アリーナに盛り込むべき防災機能の検討も十分に終えられるものと考えている。また、終えるように努めてまいりたい」
川口県議「大事な話なので、新アリーナに合わせて検討部会の結論を進めるのではなく、別々のものですから、きちんと議論していただきたい。
(検討部会)はまだ2回しか行われていないが、結構幅広くやられている。今後、検討課題もたくさんあると思う。タイムラグをしっかりと追っていってやっていただきたい」
